マツノヤひと・もよう学研究所

独断と臆見による人文学研究と時評

れきし

芸能、マス・コミュニケーション、信仰、旅、災害、病

表題に掲げた語群は、太古よりこのかた社会的連関を保ったまま、各地で文化現象を、つまり「かたり」をかたちづくっている。 従来多くの言語学は、おもに構文や発話行為といった「国家語」「民族語」の研究をしていても、その「かたる」対象ははなはだ空想的…

作品というまやかし

物語は古今東西どこにでもある現象である。あるできごとやものの由来、そして顛末についての知識を共有することは、共同体にとって不可欠な事柄だ。そうした知識を確かにし、共同体の在り方が安定することにより、物語自体を楽しむ、という生活様式が生まれ…

書くこと、欠くこと

おおよそ研究や論考というものは、文字で伝えざるを得ない。くわえて「教える」という現象は、現代ではほぼ文字を介して情報を受け取り、発信することに特化してしまっている。 文字をもたない文化が、はやく文字化されることが求められ、ソーシャルネットワ…

歴史を説明するのはむずかしい

専攻している分野を他人に説明するのは難しくて仕方がない。 とくに歴史については、自説の(とりあえずの)着地点を、学説史と話すあいての歴史観とを重んじつつ伝えなければならないので、たいてい失敗してわかりづらいものになってしまう。 たんに歴史の話…