マツノヤひと・もよう学研究所

独断と臆見による人文学研究と時評

2024-01-01から1年間の記事一覧

やまとうたの原像(景観から読み解く百人一首)

やまとうたの原像(景観から読み解く百人一首)人丸から猿丸へ――定家の和歌改造論 なぜ、読み人知らずの和歌を天智天皇の和歌としたのか? なぜ、俊成の和歌と猿丸大夫の和歌が似ているのか? なぜ、似た歌趣の和歌(特に難波江の和歌)が多いのか?百人一首…

ひと・もよう学序曲(治水と説話)

若尾五雄の独創的な着眼点は、巷間彼の業績として伝えられている「鉱山民俗学」や「河童は渦巻である」ではない。 若尾の説の分かりにくさ、とくに論証の弱さとしてとらえられた所は、そうした彼の思考の結節点に至る様々なプロセスが無視され、語呂合わせな…

「ひと・もよう学」巻頭言――2024年、若尾民俗学の継承

今をさかのぼること30年前、ある老人が大阪・岸和田でその生涯を終えた。 もと産婦人科医。生涯を懸けて「物質民俗学」なる学問をとなえ、岸和田の史跡研究から発展した「松浦佐用姫伝説は土木工事伝承」「鬼・修験は産鉄民」「河童は渦巻である」などの主張…