マツノヤひと・もよう学研究所

独断と臆見による人文学研究と時評

ポスト・オリエント学としての人文学再編案(工事中)

ただいま構想しているものを、アウトラインていどにまとめておきます。

陰陽思想とポスト・オリエント学

神話素としての陰陽

古代ギリシア神話やオリエントの宗教、ヒンドゥー神話などを、吉野裕子のいうような五行や陰陽でこじつけ、もとい「定点観測」してみる試み。これらの物語群は生成した場所は違えど、ヘレニズムやシルクロードを通じた交流があった時代を経由しているわけで、それなりに丁寧に文献を積み重ねてゆけば古代中世の「グローバル社会」が見えてくるかもしれない。

金枝篇』の域を出ないと言ってしまえばそれまでだが。

時間感覚としての陰陽(冬至夏至、それぞれに至るまでのこよみ)

吉野裕子『神々の誕生』

植田繁雄『ヨーロッパの祭りと伝承』

空間感覚としての陰陽(方角と十二支、八卦)

たつみ考(林巳奈夫『龍の話』)

太秦長谷寺などの文献とフィールドワーク

祭祀・秘儀・説話と陰陽(陰陽はあらゆる概念を示しうる)

陰陽儀礼こそがポスト・オリエント的知の遺産である

陽としての法秩序、ハレとケガレ

「白鳥」……陰

説話の類型……川から流れてくる幼子、貴種流離譚

異形性、シンクレティス

井本英一「獣皮」「上社下社」「市の起源」

陰神としての水神、あるいは水妖

小林太市郎「ポセイドンとスサノオ

石田英一郎『河童駒引考』

遊女、シャーマン、再生儀礼

ミトラス教関連文献

明宿集

五来重『踊り念仏』

陰陽の合一、聖婚と歌謡

白川静など詩経関連文献

近現代の陰陽、その光と影

正統とアナーキーの相似

更新履歴

19.11.18 初版アウトラインをとりあえず公開。