マツノヤひと・もよう学研究所

独断と臆見による人文学研究と時評

こうそう

変化(へんげ)と人文学……考えることを病める社会について

われわれのすまう生には、たえざる変化のうちに、恒常性が仮構されている。かたりは、「変わらない」とされる知識のうちから、「移り変わる」世界を観察する……といったかりそめの姿をとって、言説をきずきあげている。 アルカイックなものと考えられているこ…

「こよみ」と「風土」……人文学の根源

「書く」という行為が「人間」の社会と歴史に従属されてから久しい。「記録」「書字」「芸術」は、もう長い年月人間の想像力や理性といった責務にがんじがらめにされてしまい、著作権や個人情報といった見かけ倒しの管理技術、空虚な亡霊につきまとわれ、ご…

ポスト・オリエント学序論――ユーラシアを見据えて(未定稿)

この記事は以下の構想への「オリエンテーション」です。 matsunoya.hatenablog.jp わたしは人文学をたんなるオカルトやファンタジー、イマジネーションの産物とみなす姿勢からきりはなす必要があると考えています。また、民族や宗教、国家、文明といった「近…

歴史を説明するのはむずかしい

専攻している分野を他人に説明するのは難しくて仕方がない。 とくに歴史については、自説の(とりあえずの)着地点を、学説史と話すあいての歴史観とを重んじつつ伝えなければならないので、たいてい失敗してわかりづらいものになってしまう。 たんに歴史の話…

『学融』のネットワークをつくりたい

人文学が役に立たないというスローガンに飽き飽きしている。 「人文学は役に立たない」、具体的には「金にならない」先入見がある。社会人は少しでも「社会の役に立つ」ビジネス本や自己啓発、成功者の人生道徳から借りたことばを振り回す。それらの現代的な…